愛の囁き☆私は強くない番外編☆
妊娠…

翠が大丈夫だと言いながら、拓真さんに電話をかけていた。

「香里、電話したよ。奥菜さん、仕事終わったら来るって、私もいるから」

電話をかけていた翠が戻ってきた。
拓真さんに連絡取れたんだ…
なんて思っただろう…、どう思ったんだろう。

拓真さんが来るまでの間、待っている時間が何時間にも感じられた。

「香里、奥菜さんの返事次第だけど、もし堕ろしてくれ、って言われたらどうするつもり?」

堕ろす?
出来た赤ちゃんを堕ろす?
私は首を振った。

「い、いやっ。私は嫌っ」

「何言ってるの!育てられない、って言われたらどうするの?一人で産む気?」

一人で産む気?と言われ、重大な事に気がついた。
そうだ、そんな簡単な事じゃないんだ。私一人の問題じゃないんだ。

両親にも話をしなきゃ…いけない。

どうすれば…

ピンポーン

「来たわね」

翠は言いながら玄関に向かった。

「香里、来たわよ」

「香里…本当なのか…」

「た、拓真さん…ごめんなさい」

私は何故か謝っていた。
謝る必要なんてないのに…
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