愛の囁き☆私は強くない番外編☆

テーブルに向かい合わせに私達を座らせると、翠が話し始めた。

「香里が多分話せない…と思うんで、代わりに話させてもらいますね。奥菜さん、どうするつもりですか？まず、二股ってどう言う事ですか？」

「っ、翠！それは…」

目の前で、手を出され制止された。
拓真さんが何を言うのか、聞くのが怖かった。

「そ、それは…別れたつもり…なんだけど、まだ別れてくれないんだ…」

「本当なんですね？奥菜さんにその気はないんですね？」

翠は、拓真さんを追い詰めていた。
言いながらも翠自身も、震えていた。きっと、本当はこんな事言いたくはないんだろうな、翠だってそこまで強くないのに…

「そこは奥菜さんを信じますよ？違ってたら、分かってますよね？じゃあ、香里の妊娠はどうするつもりなんですか！結婚するつもりあるんですか！」

結婚！？

どう答えるの？拓真さん。
お願い、するつもりだったって言って…

「まだ…そこまで、考えてなかった…」
私の願いは…虚しくも砕け散った。