愛の囁き☆私は強くない番外編☆
「香里ー!ご飯よー」

誰?ご飯?

目を開けた私は、いつもと違う風景に頭がついていけてなかった。
ここ、どこ?

あ、実家に帰ってたんだ…

「香里ー!」

「はいはーい、行きますー」

私は慌てて、下に降りた。

「寝てたの?さっきから呼んでたのに」

テーブルに出来上がった料理を乗せながら、母が話していた。その後ろでビールを飲みながら、母が作ったおつまみを食べていた父の姿かわ目に入った。

「お父さん、お帰りなさい」

「ん、お前も久しぶりだな。どうした?俺に用事か?」

「ううん、二人に話があって…」

急に話をしたもんだから、両親は改めて何を言うんだろうと身構えていた。

テーブルについた母が、とりあえず先によばれましょう、と食事が始まった。

いただきます、と手を合わせて久しぶりに母の手料理を食べた。

「美味しい…」

「そう?あんたこれ好きだったものね。たくさん作ったから食べなさい」

「うん、ありがとう」

食事も進んだ頃、私は持っていたお箸をテーブルに置いて、両親に向かって話を改めてした。

「あのね、お父さん、お母さん。会ってもらいたい人がいるの」

二人ともいきなりの告白に固まっていた。

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