愛の囁き☆私は強くない番外編☆
「……あの、お父さん?」

「お、おぉ…誰に会うんだ?」

「あの、結婚前提で付き合ってる人がいるの…今度連れて来るから…」

「香里!プロポーズされたの?どうなの?」

「あ、うん。された…」

「おめでとう!いつ?いつ連れて来るの?お母さん、早く顔が見たいわー!どんな人?」

母が矢継ぎ早に質問をしてくるものだから、私はしどろもどろになってしまった。
父も半ば、呆れていたように見えた。

「母さん、それくらいにしなさい。香里が困ってるだろ。香里もちゃんと日にちを決めてから言いなさい。分かったね?」

「は、はい。ごめんなさい」

さすが、会社では部長職に就いてる父らしく、興奮する母をたしなめ、私にも軽く注意をした。

それから母は、食事が終わってもまだかしら?どんな人かしら?想像を膨らませていた。

もし、妊娠していると言ったら、この両親はどうなるんだろう?
父は怒るだろうか?順番が逆だと言って…

少しの罪悪感を胸に私は実家から帰ってきた。

拓真さんからまたメッセージが来ていた。

『ご両親には、ちゃんと病院に行ってから、ご挨拶に行くから』

実家に帰る前に、今から両親に会ってほしい人がいると伝えてくると、メッセージを送った返事だった。

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