愛の囁き☆私は強くない番外編☆
妊娠していなかった事実。
それは喜ぶべき事であって、でもその事実を知った拓真さんは、電話に出てくれなくなった。

胸に抱いていた不安はこれだったのか…
妊娠したから、結婚しようと言ってくれたけれど、もしそうじゃなかったら別れようと言おうとしてたの?

頭の中が混乱していた。
何をどうしていいのか…分からなくなっていた。

♪♪♪♪♪♪♪

「はい、あ、お母さん」

「香里、いつ連れてくるの?お付き合いしてる人」

「え?あ、今仕事が忙しくって…時間作るから、ごめん。また電話するから」

私は慌てて電話を切った。
会わせる人がいなくなった、なんて言えない。楽しみにしてる両親に…

私はもう一度、拓真さんに電話をかけた。

お願い、出て!

その日、彼が電話に出てくれる事はなかった。
< 66 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop