愛の囁き☆私は強くない番外編☆
一晩中、かけていたけれど、拓真さんに繋がる事はなかった。

「香里、あんた昨日、病院行ったんでしょ?どうだった?2ヶ月ぐらい?」

何も知らない翠が笑顔で聞いてきた。
私の顔を見て、すぐに何があったのかを感じ取ったようだ、

「香里、仕事出来る?大丈夫なの?」

「うん、仕事は別だから…頑張るよ…」

力なく答えた私に返す言葉も見つからないようで、翠は背中を優しく叩いてくれた。帰り待ってるから、と。

なんとか1日乗り切った私は、翠に話をした。
妊娠していなかった事、拓真さんに話したけど、電話を切られてから連絡がつかない事を。

「…っ、信じられない。怒ってるとか?ありえないよね?普通逆じゃない?妊娠してなかったんだから、安心するんじゃないの?」

「うん、でも、拓真さん楽しみにしてたから…ショックだったのかも…」

「本当にそれだけ、なのかな…」

「違うって事?」

翠は、違う事だろうと話していたけれど、本当にそうなんだろうか。

「ね、もしかしたら…あ、やっぱりいいや」

「な、なに?言って、翠!」

何かを言おうとして、翠は言うのを躊躇した。

何度聞いても、口を開こうとはしなかった。
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