愛の囁き☆私は強くない番外編☆
倉橋さんのため息や、うんざりするような話し方が、手に取るように分かったけれど、後ろに引けなかった。
最後は電話を無視されるようになった。
端から見たら、イタイ女だと思われただろう。
でも、自分の気持ちの決着がつけられないでいた私にとっては、イタイとかじゃなかった。全てが必死だった。
私はまた平日の休みを使って、倉橋さんを待ち伏せした。
夕方、会社から出てきた倉橋さんを呼び止めた。
まだ私に用事があるのか、と聞かれ、話を聞いて欲しいとお願いした。
そして、公園で話をした。
「より戻したんですか?」
呆気に取られたのか、それとも肯定する意味なのか、倉橋さんは黙っていた。
この人にあって、私にないものってらなんなんだろう。
何が劣るんだろう。
「教えてください」
自分が何故こんなにも、拓真さんに執着するのか、分からなかった。
だから教えて欲しかった。
黙っていた倉橋さん聞いてきた。
「もしかして初めてだったの?」
言葉に詰まった私を見て、肯定したと察知され、続けて聞かれた。
「なんて言ってセックス誘われたの?」
怒るわけでもなく、急に私に興味が出たのか、質問された。
「俺に任せてたら大丈夫だからって」
そして、私は倉橋さんから、拓真さんが話していた事とは真逆の事を、真相を教えてもらった。
でも、拓真さんを嫌いにはなれなかった。やっぱり私はまだまだなんだろうか。好きだと言ってくれた言葉に嘘はなかった。そう思いたかった。気持ちのケジメをつける為には、ちゃんと向かい合って話がしたかった。これからの自分の為にも…
そして、ある提案をされた。