愛の囁き☆私は強くない番外編☆
「ちょっと!香里、あなた何考えてるの?」

「翠…私、間違ってるのかな」

私は、倉橋さんと会って話した事を、翠に相談していた。
会って話をする、とは言っていたけれど、まさか話をした後に倉橋さんと、拓真さんとの話し合いを持ちかけられたなんて、想像もしていなかったらしい。
私が倉橋さんと話をして、納得出来るなら、と会う事を勧めてくれた翠だったけれど、自分が想像していたよりも上の話に驚いていた。

「本気なの?」

「うん。悩んだんだけど」

「また、傷つくよ…いいの?」

「これ以上、傷つくことってあるの?」

「えっ…」

「もう、これ以上傷つくことなんてないよ。大丈夫よ」

「香里がそう言うなら…」

私に何を言っても意思が固いと思ったのか、翠はそれ以上何も話さなかった。

約束の日、私は倉橋さんにメッセージを送った。

「仕事が終わったんで、今から行きます。はい、場所は分かります」

返事はすぐに来た。

待ってます、と。


そう思いながら、待ち合わせ場所に向かった。
< 81 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop