愛の囁き☆私は強くない番外編☆
倉橋さん達と会ってから数日、私はなんとか仕事をする日々を送っていた。

「香里大丈夫なの?無理してない?」

「あ、うん。大丈夫、仕事してる間は忘れられるから」

「無理しちゃだめよ」

「ありがと」

あのケジメをつけた日の事を私は翠には、最近まで言わずにいた。
言える事じゃないと思っていたから。

聞いたら翠も傷つくだろう、と。でも、いつもと違う私に気がついた翠から話をされた。なんかあったでしょ?と。

隠し通せる訳もなく、私はあの日あった事を伝えた。

翠は
「辛いだろうけど、これで気持ちの切り替え出来たよね?」
と。

気持ちの切り替え…出来たんだろうか。
出来た、と言いたい。

まだ愛されたあの日を思い出してしまう。自分の弱さが、強くなれない自分に嫌気をさしていた。

早く切り替えよう。そう思っていた。


「久しぶり、大丈夫?」

病院を出た私に、誰かが声をかけてきた。
振り向くと、そこには倉橋さんが立っていた。

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