一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない
「はい。今日はありがとうございます。今日のことも含めて、今度ちゃんとお礼しますね」
礼を述べながら歩き出したメアリの言葉に、ユリウスはややあってから「それなら」と目を細め笑みを深める。
「近いうちに俺の願いを叶えてもらおうかな」
「願い、ですか?」
「そう。簡単な願いだけど、今はまだその時じゃないんだ。だから、必要になったらぜひ協力してほしい」
いいかな?
問われ、メアリは簡単なものでお礼になるのかと気にかけつつも、自分がユリウスの役に立てるならと頷いた。
「わかりました。その時が来たら教えてください」
「ありがとうメアリ!」
嬉しそうな笑顔を見せたユリウスに、メアリはつられて頬を緩める。
先程の男は誰なのか。
話の内容も含めて気にはなるものの、こんな風に笑みを見せるユリウスのこと。
騎士としての仕事絡みかプライベートかは不明だけれど、きっと悪いことではないはず。
メアリはそう信じ、ユリウスと共に城へと戻った。
明日からまた頑張ろうと気持ちを高めながら。