一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない


「それに、ユリウス様は私より年上です」


敬語を使って話すのは当たり前だと話すと、ユリウスは小首を傾げた。


「たったの六つだろう?」

「六つは十分年上じゃないですか」

「ひどいな。俺がおじさんだって言ってる?」

「い、言ってないですよ! そんな意味じゃなくてですねっ」


誤解させてはいけないと、メアリは大きく頭を振る。

ユリウスが老けているなんて微塵も思ったことはなく、どちらかといえば憧れに近い気持ちを持っているくらいだ。

だが、あなたに憧れてますなどと口にするのは恥ずかしく、どう伝えるべきかと迷い「えっと、そのですね」と慌てて言葉を探していたら、ユリウスが小さく肩を揺らして笑った。

そして、優しく目細めるとメアリの頭を優しくひと撫ですると、薄墨を混ぜたような柔らかいブロンドヘアが秋風に靡く。


「いつものメアリらしくなってきたな」


言われて気づけば震えは止まっていた。

気を使って明るい雰囲気にしてくれたのだとメアリは悟り、ユリウスの優しさに張りつめていたものが緩んで目頭が熱くなる。


「君を守れて良かった」

「ユリウス様……。本当にありがとうございます」


探しに来てくれて、見つけてくれて、助けてくれて。


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