一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない
「メアリ様、すっかり大きくなって。けれど、愛らしい大きな瞳と血色のいい頬、そして優しげな口元はあの頃の面影がしっかりと残っていて……素敵な女性に成長されましたのね」
うっすらと涙を滲ませ、感動の再会に浸るように長い睫毛を伏せたユリアナ。
メアリは微笑すると、心を込めて礼を伝える。
「ユリアナ様、小さな私を守り、育ててくださったこと、とても感謝しています。真実を聞かされてから、いつかお会いしてお礼を申し上げたいと思っていました。本当にありがとうございます」
綺麗な所作でお辞儀したメアリに、ユリアナは感慨深く頷いた。
「ジョシュアが育てると聞いた時はどうなることかと心配しましたけれど、こんなにいい子に育って……」
「神よ、感謝します」と感極まった様子で祈ったかと思えば、今度は忙しなく「そうですわ!」と両手を合わせる。
「メアリ様、わたくしね、小さなあなたとお別れする時に、メアリ様にお願いしたことがありますの」
「お願い、ですか?」
メアリが不思議そうに首を傾けると、唇に指を添えてフフッと小さく笑うユリアナ。
「ええ。成長したあなたに会えた時は、一緒にお茶を飲みましょうね、と。良かったら今、一杯だけお付き合いいただけますか?」