一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない
ジョシュアから譲り受けた薬が少なくなってきた為、補充したいと考えていたメアリが告げると、意外な申し出だったのかロッテの目が丸くなった。
「お薬ですか? では、薬草園に参りますか?」
「薬草園があるのね!」
アクアルーナの城にもあったのを思い出しながら確認するメアリに、ロッテは元気に頷く。
「はい。ルシアン様の為に作られたものと聞いてますが、ここで働く者は必要に応じて自由に使えるんです。メアリ様はユリウス様の婚約者様ですし、問題ないかと思いますよ!」
クレイグの勘違いをまだ信じているロッテ。
メアリは苦笑し、「一応許可を得てからにしたいの」と伝えた。
「それでしたらルシアン様にお訊ねしてきますので、少々お待ちくださいね」
「ありがとう、ロッテ」
髪を綺麗に整えたロッテが部屋を出る。
それから大した時間もかからずに戻ってきたロッテから、あっさりと許可が下りたことを聞き、朝食後、メアリはロッテと共に薬草園へ足を運んだ。