一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない
ジョシュアは少しずつ基本的なことはメアリに習わせていたが、どれも中途半端なレベルな為、王女としては全く足りていない。
野盗に襲われた時にも思ったが、今になりメアリはもっとしっかり学んでおくのだったと激しく後悔した。
しかし、いつまでも後ろを向いてはいられないと、自らを鼓舞しメアリはイアンと向き合っている。
「これがなければどうしても眠れないという人形でもあるのか?」
「あっ、ありません!」
そんな子供ではないと首を横に振ると、イアンは僅かに口元を緩めた。
「それなら問題ないだろう。まあ、何かあればジョシュアにでも頼んで取ってきてもらえばいい」
「わかりました」
「次の質問は?」
促され、ジョシュアの名が挙がったこともありメアリは再び唇を動かす。
「えっと、今後、先生のお手伝いは」
「しなくていい。さきほども言った通り、君は学ぶべきことが多くある。ジョシュアの手伝いをしている暇はないだろう」
わかっていた回答ではあったが、たくさんの患者と交流しジョシュアと過ごしてき時間が無くなるのを寂しく思いながら、メアリは次の質問をする。