甘く抱いて、そしてキスして…【完】
「真田先生、この教材、まとめといて」
私はイライラしながら、仕事を始めた。
「はい、わかりました」
「あと、さっき言ってた講師候補のリストある?」
「あー手書きですけど、一応あります。これです」
私は徐に受け取った。
「とりあえず、履歴書と軽い面接はしないと」
ふぅー落ち着きを取り戻したい私。
「伊原先生、伊原先生」
「はぁーい、美園先生」
「伊原先生の紹介してくれた人、いつ来れそう?」
「あー今聞いてみましょうか?」
またもや、吸い込まれそうな眼力。
「うん、お願い」
私はそうやって全員の講師に連絡を入れ、アポを取った。
「よし、今日、明日で何とかなりそう!」
明後日から、冬期講習がスタートする。
しばらく休みがなくなる。
頑張らないと。
穂乃香さんのこと、気にしてる場合じゃないんだ。
私は自分に強く言い聞かせた。