甘く抱いて、そしてキスして…【完】
「おはよう、立石、明日から、穂乃香が冬期講習手伝ってくれるから、お前、頼むわ」
ん?
私は翔太郎の話し声で目を覚ました。
翔太郎、ちゃんと立石先生に言ってくれたんだ。
良かった。
私は寝室を出てリビングに入った。
「おはよう、さ、寒い……暖房入れなよ」
「あーわりぃ」
「カフェラテ入れるよ」
「美園、たまには俺が入れるから」
朝から爽やかな笑顔を振りまく翔太郎。
私は一気に目を覚ました。
「ん?ありがとう」
私は、洗濯機を回し、クルミと翔太に餌と水をやる。
「ねぇ、クルミも翔太もだいぶなれてきたよ。よく遊ぶし。同じケージにしてみようか?」
「美園が、そうしたいなら、いいよ」
「えぇー翔太郎も、そうしたいって言ってよ」
「はいはい、そうしたいよ。熱いから気をつけてー」
そう言いながら、私にカフェラテを渡してくれた。
「うん、ありがとう。ケージ掃除しなきゃ」
「なんかすっかりクルミも翔太も、お前の子供だな」
クスッと笑いかける。
「うふふふ、クルミと翔太の子供が産まれたら、孫が出来る……あははっ」
私は朝のこんな何気ない時間とやりとりがたまらなく大好きで癒されている。
「行ってらっしゃいー」
今日は、早く帰って来てね……クリスマスイブだよ。
私は心の中で呟いた。