甘く抱いて、そしてキスして…【完】
「……じゃあ、みんなに連絡、よろしくね」
私は、各校舎の塾長に、臨時休校の連絡を入れた。
穂乃香さんへの連絡も立石先生にお願いした。
今日から、学校は冬休みだから、朝から冬期講習が本来なら、スタートしていた。
しかし、この吹雪では、家にこもっているのが一番安全だ。
翔太郎は、ソファーに横になりながら、テレビ、スマホを交互に見ていた。
「翔太郎、大丈夫?」
おそらく二日酔いだろうが、心配で聞いてみた。
「ああ、何とか……」
「今日は、ゆっくりしたら?」
「うーん、そうだな。ちょっと書類片付けるかな」
まだ少し頭を押さえたりしている。
「無理しないで。私も、クリスマスツリーとか、色々片付けるよ」
私は、いつものように、洗濯機を回し、クルミ、翔太に餌を与えた。
2匹は仲良くじゃれ合っている。
「翔太郎、何か飲む?カフェラテ?」
「うーん、やっぱカフェラテかな」
「はぁーぃ」
思わぬ大雪警報のおかげで、2人きりになれ、私はちょっと嬉しかった。