甘く抱いて、そしてキスして…【完】
第2節 帰国
翔太郎からの電話を最後に受けてからの私の記憶は、ほとんどない。
嬉しさの余り、浮かれ過ぎて、異常なモチベーションの高さで、みんなが不思議がっていた。
みんなに叫びたい。
今日、私の愛する人が帰って来るんです。
私の愛する人に会えるんです。
私達は、真実の愛を確かめ合うんです。
私は、飛びっきりオシャレなワンピースを着て、飛びっきり色気あるセクシーなメイクをして、ちょっぴり背伸びしたピンヒールを履いて、胸を躍らせながら、空港へ向かった。
このたくさんの人の中から、翔太郎が姿を現すんだ。
なんて声をかけよう?
どんな表情をしよう?
何をしたら一番喜ぶのかな?
何をしたら一番笑ってくれるかな?
私は、一体どうなるんだろう?