甘く抱いて、そしてキスして…【完】


まだまだ残暑が厳しく、太陽の光が私達と地面を激しく交錯しながら、強く照らす。


「『overseas』寄ろうか?」
翔太郎が、私達の原点へ行こうと誘ってきた。

「うん、行く行く」
私は、まだ興奮状態で飛び跳ねる。






「あれ、リニューアルしてる?」
私達は、ドキドキしながら、店にゆっくりと入った。


「いらっしゃいませ」
明るく元気な店員さんの声が店内に響き渡る。

爽やかな清潔感あふれる白で統一された店内に、私達は圧倒された。

カウンターもテーブルもイスも全て白。


「へぇーオシャレ、可愛い、ね、翔太郎?」


「ああ、癒されるな………美園と出会った時とは、また違って新鮮だな」



「お決まりですか?」
笑顔が愛くるしい店員さん。



「オムライスとアイスカフェラテ」

私達は声を合わせて言った。


どちらも、翔太郎との想い出がたくさん詰まっている。


「はい、オムライスとアイスカフェラテ2つずつですね?かしこまりました」



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