甘く抱いて、そしてキスして…【完】
「俺がいるから、もう大丈夫だよ」
翔太郎は優しく私の涙を大きな手のひらで左右、拭き取ってくれた。

私は、またコクリと頷いた。

「さあ、後は俺に任せて、トロトロのオムライス、最高に美味いぞ」

「うん、私、ここで見ててよい?」


「いいよ」翔太郎は私の頭を優しくポンポンしてくれた。






「よし、それっ、はい、完成!」

パチパチパチ

「わぁーすごい!美味しそう、ありがとう、運ぶね」

「おい、大事なこと忘れてる」
翔太郎は冷蔵庫からケチャップを取り出した。

「俺はクルミにメッセージ、クルミは俺にメッセージ」
翔太郎は短髪なくせに、サラリとした髪をかきあげた。

うふふふふふっー

「書くまで、目を開けんなよ」
翔太郎の愛おしく力強い温かい眼差しが私を釘付けにした。



「まず、俺からね、よし、はい、次、クルミ」

「うん………どうしようかなぁ………うん、書いた」


「じゃあ、3、2、1、で目を開けよう!」


「うん………わかった」


「じゃあー行くよ、3…2…1…よし」


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