甘く抱いて、そしてキスして…【完】
私は恐る恐る寝室まで行き、軽くノックした。

「ごめんなさい、翔太郎の気持ちきちんと理解してなくて……」


返事はない。


「翔太郎?」

こんなこと初めてだ。私は相当深く翔太郎を傷つけてしまったんだ。
私は深く反省した。

しかし、何も出来なくなった。
その場に座りこんだ。
うずくまった。

ただ、床にポタリポタリと何かが落ちていく。心臓が痛い。胸が苦しい。

そして、私はついに号泣してしまった……



翔太郎…翔太郎?

なぜ来てくれないの?
なぜいつもみたいに優しくしてくれないの?



結局、翔太郎は出て来なかった。
助けてくれなかった。


私は寝室には入ることなく、リビングのソファーで泣き崩れた。
こんな涙はもう二度と流したくない……


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