甘く抱いて、そしてキスして…【完】
「翔太郎、私ね、昨日実はね……」
翔太郎は悪いな、と言わんばかりの表情で、どうやらブルブルと鳴ったらしいスマホに出た。
相手は誰だか分からないが、丁寧に頷いたり、深々と頭を下げたりしているのを見ると仕事関係の人だろう。
翔太郎は私がもう把握出来ないくらい幅広い人間関係を構築しており、その人脈と才能は世間的にもかなり評価されてきていた。
翔太郎はとにかく頭が切れる。
誰よりもアグレッシブで強い信念と野望がある。
それは、秘書である私は十分すぎるほど理解してきたし、評価もしてきたつもりだ。
「ごめん……仕事の電話、で、何だった?」
翔太郎は空?いや、両親がいる天国を見上げながら、そう答えた。
私はハッとした……
「あ、あのね、し、し、写メ撮ろー」
私は結局何も言わなかった。
今はその時ではまだない……そう判断した。
翔太郎のために。
私自身のために。
翔太郎は悪いな、と言わんばかりの表情で、どうやらブルブルと鳴ったらしいスマホに出た。
相手は誰だか分からないが、丁寧に頷いたり、深々と頭を下げたりしているのを見ると仕事関係の人だろう。
翔太郎は私がもう把握出来ないくらい幅広い人間関係を構築しており、その人脈と才能は世間的にもかなり評価されてきていた。
翔太郎はとにかく頭が切れる。
誰よりもアグレッシブで強い信念と野望がある。
それは、秘書である私は十分すぎるほど理解してきたし、評価もしてきたつもりだ。
「ごめん……仕事の電話、で、何だった?」
翔太郎は空?いや、両親がいる天国を見上げながら、そう答えた。
私はハッとした……
「あ、あのね、し、し、写メ撮ろー」
私は結局何も言わなかった。
今はその時ではまだない……そう判断した。
翔太郎のために。
私自身のために。