甘く抱いて、そしてキスして…【完】
首がなんか痛い、あれ、私は寝ちゃったの?
それとも、夢でも見てた?
楽しかったなぁー


「美園、美園」

ん?誰かが、呼んでる?
ん?

「わぁーあ、あ、ごめん」
私はびっくりして、飛び起きた。

疲れている翔太郎に長距離運転させて、寝るなんて私は最低だ。


「いいよ、それより着いたよ」

「ん?どこ?」

「俺が行きたい場所って言っただろ?」
翔太郎は得意げにしかもニヤリと笑った。

なになに?

私は車から降りた。

地下の駐車場?

チラチラと辺りを見渡した。
翔太郎は私の手を握ってぐいぐい引っ張るように力強く歩いていく。
小走りになりながら、必死で私はついて行った。手を離されたら、完全に迷子だ。


エレベーターの前まで来た時、私はようやく、〔キャッスルホテル〕にいることを把握した。


ホテル?
ん?
食事、食事だよね?
お泊まりはーーーさすがにないよね?


エレベーターはフロントに泊まることなく、34階まで上がっていった。


ピンポーン


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