甘く抱いて、そしてキスして…【完】
第5章 事件
第1節 不安と孤独
あ、B4コピー用紙が……なくなっちゃう。
今のうちに買いに行かないと。
立石先生待ってたら、間に合わないよね?
私は慌てて鞄を持ち、鍵を閉めて、近くの電気屋に向かった。
ずいぶん暑くなったぁー
もう7月だもんね。
紫外線もかなり私の体全体を突き刺して来る。
日傘持ってこれば良かったわ。
私は、ハンカチを頭に覆いながら、早足で歩いていた。
汗が私の背中にたれていくのが分かる。
ふぅー着いた。
す、涼しい!
快適!
えぇーっと、2階に行かなきゃ。
私は、エスカレーターに乗り2階へ向かった。
私は、一番下に陳列してあったB4コピー用紙を見つけ、手に取ってカゴに入れた。
そして、ふと見上げると、テレビ売り場に目がとまった。
家も大きいテレビ欲しいな。
私は惹き付けられるように、左右前後に並ぶたくさんの種類のテレビ達の前に歩いて来た。
「え?」
店内に響き渡る私の大きな声。
全てのテレビで、[緊急生中継]と同じニュースを報道している。
それは、老人介護施設【たんぽぽ】の、集団食中毒のニュース。現在、死者4名、重症患者11名、軽症患者31名と報道している。
【たんぽぽ】
間違いない、穂乃香さんの施設だ。
私は、鞄から、名刺ケースを取り出し、再度確認をした。
辺りが少しずつ、騒がしくなってきた。
「あら、大変な事件ねぇ」
「怖いわねー」
「死者、まだ増えるんじゃない?」
みんな好き勝手にコメントしている。
「ど、どうしよう。大丈夫かな、穂乃香さん」
思わず、声に出てしまった。
テレビは、決して止まることなく生々しい実況を伝える。
すると、画面は切り替わり、なんと報道陣に追っかけられて車に乗る穂乃香さんが写りだした。慌てて、皆を遮る穂乃香さんの姿。
ん?
待って、あの車、翔太郎だよ。
私はとてつもない動揺と不安が交錯し、ポツンとその場に座り込んだ。
大変なことが起きてしまった……
私に何か出来ることは?
ないか、ないよね?
きっと翔太郎がなんとかする。
私はそう信じた。
ただ、私のショックは、自分のキャパを超えるほど深いものだった……
今のうちに買いに行かないと。
立石先生待ってたら、間に合わないよね?
私は慌てて鞄を持ち、鍵を閉めて、近くの電気屋に向かった。
ずいぶん暑くなったぁー
もう7月だもんね。
紫外線もかなり私の体全体を突き刺して来る。
日傘持ってこれば良かったわ。
私は、ハンカチを頭に覆いながら、早足で歩いていた。
汗が私の背中にたれていくのが分かる。
ふぅー着いた。
す、涼しい!
快適!
えぇーっと、2階に行かなきゃ。
私は、エスカレーターに乗り2階へ向かった。
私は、一番下に陳列してあったB4コピー用紙を見つけ、手に取ってカゴに入れた。
そして、ふと見上げると、テレビ売り場に目がとまった。
家も大きいテレビ欲しいな。
私は惹き付けられるように、左右前後に並ぶたくさんの種類のテレビ達の前に歩いて来た。
「え?」
店内に響き渡る私の大きな声。
全てのテレビで、[緊急生中継]と同じニュースを報道している。
それは、老人介護施設【たんぽぽ】の、集団食中毒のニュース。現在、死者4名、重症患者11名、軽症患者31名と報道している。
【たんぽぽ】
間違いない、穂乃香さんの施設だ。
私は、鞄から、名刺ケースを取り出し、再度確認をした。
辺りが少しずつ、騒がしくなってきた。
「あら、大変な事件ねぇ」
「怖いわねー」
「死者、まだ増えるんじゃない?」
みんな好き勝手にコメントしている。
「ど、どうしよう。大丈夫かな、穂乃香さん」
思わず、声に出てしまった。
テレビは、決して止まることなく生々しい実況を伝える。
すると、画面は切り替わり、なんと報道陣に追っかけられて車に乗る穂乃香さんが写りだした。慌てて、皆を遮る穂乃香さんの姿。
ん?
待って、あの車、翔太郎だよ。
私はとてつもない動揺と不安が交錯し、ポツンとその場に座り込んだ。
大変なことが起きてしまった……
私に何か出来ることは?
ないか、ないよね?
きっと翔太郎がなんとかする。
私はそう信じた。
ただ、私のショックは、自分のキャパを超えるほど深いものだった……