甘く抱いて、そしてキスして…【完】
私が塾に戻った時には、生徒達はほとんど帰宅していた。

「伊原先生、ごめんね。ありがとう」
私はものすごく申し訳ないという表情をしていた。

「いえ、それより大丈夫ですか？」
相変わらずの眼力でお茶目に聞いてきた。

「うん、なんとか……」
一連の出来事を思い出す私。


塾長の立石先生は、仕事を少し片付けると言って、私には、休むように言ってくれた。


「お疲れ様です。ありがとう」
私はぺこりと頭を下げた。



そして、私は、クルミ、翔太に会いに行くため、2階へ駆け上がった。

癒されたい…
心を落ち着かせたい…
この気持ちで、溢れていた。


「クルミ、翔太、ただいま、お腹空いたよね？」
私は、それぞれのケージの中にひまわりの種を入れ、水も新しく入れ替えた。

クルミも翔太も飛びついて、ものすごい集中力で、ガリガリひまわりの種を食べ始めた。

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