甘く抱いて、そしてキスして…【完】
ピロロン

私は、急いで鞄からスマホを取り出し、LINEを開いた。

だ、誰?
翔太郎?

『美園、ごめん。しばらく穂乃香のそばにいてやりたい。明日には、着替えを取りに戻る予定だから』


勝てない。
穂乃香さんには勝てないんだ。
翔太郎は…
翔太郎は……やっぱり穂乃香さんが、好きなんだ。
翔太郎は気づいていないんだ。


私は、立石先生のこともあり、返信しなかった。いや、出来なかった。

会えない。
会いたくない。
私、おかしくなっちゃったよ。
私、壊れちゃったよ。
本当は、会いたいはずなのに。

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