とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
うう。確かに解決するかもしれない。でも隣にこんな素敵な人がいて、私の心臓大丈夫なのかな。
「君なら安心して任せられる。なんなら今から君のご両親呼んじゃう?」
「いいですね」
「や、やめて! ここ、兄のマンションだし。呼ぶならちゃんとした場所であいさつしたい!」
「お、お前も乗り気じゃないか」
もう本当にこの親は嫌だ。
母と喬一さんの母が、幼馴染で仲良しっては聞いていたけど、喬一さんのご実家は歴史ある呉服屋さんだ。長子であるお姉さんが家を継いでいるとは聞いているし、いくら家族ぐるみで仲が良くてもこんな時間にする話ではない。
喬一さんを見るが、上機嫌で微笑んでいるだけだ。
いや、彼の方も父の話に乗ってきている。
「じゃあ、スケジュールを決めましょう。顔合わせはいつにしましょうか」
「そうだなあ。一矢、お前いつ休めそうか」
「えーっと、俺より、先生の方が時間作るの大変でしょ」
私の意見は全く聞かないで進んでいくのは、もはやホラーでしかない。
グラスにワインを注いで、踊る姿を眺めながら、踊らされているのは私ではないかと冷静に考えて、少し背中に悪寒が走る。
「ごめん、不安にさせた?」