とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
「なに?」
戸惑っているのか瞳が揺れている。触れてほしくない話題なのに、私だから足蹴にするわけにもいかず、渋々聞いてくれている。それが申し訳ないけど、でも今後のことも考えたら引き下がるつもりもない。
「……喬一さんは、親戚は関わらなくていいって遠ざけてるけど、左京さんって人は少なくても喬一さんやお姉さんのことを心配してくださってましたよね」
一番、喬一さんが触れてほしくない話題。そうわかっていたけど、言いたくて意を決して言う。
喬一さんもパンフレットを閉じて、私の目を真っすぐ見てくれた。
「左京は従兄弟だから。姉さんの式でほぼドタキャンされたとき、従兄弟は皆来てくれていた」
「良い人まで遠ざけるのは、おかしいです。来てくれた方々だけでもお付き合いを続ければいいじゃないですか」
おずおずと言いだしたくせに、止まらなくなってしまった。
さっきの言動だって、喬一さんがあそこまで冷たく拒否しなければ、穏便に済んでいたかもしれない。
「喬一さんは身内を守るためなら、冷酷になれるのかもしれないですけど、でもわざわざあんなふうに敵を作る必要はないのかなと」
「つまり俺に、あいつらに媚びを売れ、愛想よくしてほしいと?」