とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
エピローグ



 庭の芝の上を、枯葉がカラカラ音を立てて飛ばされていく。
 外の風が肌に刺さるようになってきた季節。
 私と喬一さんが出会った日も、こんな冬の日だった。

 逆プロポーズしてしまった形になったけど、後から喬一さんからプロポーズされたし、私が言わなくても、喬一さんも兄も父もお見合いさせようと計画していたわけで。

 あんなに素敵な人を好きにならないわけはないので、どちらにせよ結婚していたんだと思う。
 どうして喬一さんみたいに完璧な人に私なのかと、首を傾げたくなるけども。

 私は隣にいることが幸せだと、きちんと伝えていこうと思う。それぐらいしか彼が喜ぶことが思いつかない。

「冷え込んできたから、散歩はやめとく?」
「そうですね。今日は窓から日光浴かな」

 喬一さんは車を見送ったその足で、倉庫からクリスマスツリーの飾りを取り出している。
 お客様がチビたちと沢山遊んでくれたので、ぐっすり眠ったようだ。

「左京さん、もう少しゆっくりしていけばいいのに」
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