とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
五か月検診の時に、双子を妊娠していると言われたのだ。
妊娠初期に気づかなかったようで、おまけに喬一さんも「そういえば祖父が双子だと言ってました」と後出ししてくるから驚いた。
喬一さんのお姉さんと同じクリニックはNICUがないからと大学病院に転院することにあった。一緒の産婦人科で心強かったのに、急に不安になった。
そこで喬一さんと日色さんが色々病院を探してくれて、大学病院に管理入院。
双子の場合、自然出産はリスクが大きいと説明され、帝王切開を勧められた。
「俺もその方が紗矢にとって安全と思うけど、自然分娩がいいとか無痛がいいとかあるなら、知り合いを探すよ」
と私よりも産婦人科を熱心に調べてくれた。
でも無痛よりも自然分娩よりも、喬一さんがすぐに駆け付けてくれてNICUがある大学病院の方が安心だったので、そのままそこで入院した。
彼の同期のお医者さんがいて、彼が大学時代から人当たりはいいのに異様にパーソナルスペースが広く、近寄りがたいオーラがあると苦笑していたので私も笑ってしまった。
大学時代は、彼が一番人生で絶望した、お姉さんの結婚式の時期らしいので納得できる。
でも喬一さんを知っている人たちもいたし、検査もしっかりしていたので、安堵できた。