とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
「ふ。ここまですんなり結婚が上手くいったのは、俺の計画が上手くいったからってこと。あとは開業した仕事が落ち着いたら、浚って来ようと思ったけどやめただけ。こんな未だに恋愛経験がない危険な子は、今すぐ俺のことを好きになってもらわないとね」
「え、あの……」
手が。
微笑みながら手を繋がれてしまった。
えええ。
「ね、ちょっと触れただけでこんな真っ赤になる子は、浚うしかないだろ」
「いや、誰だってその……憧れてた人にこんなことされたら、恥ずかしいと思います」
耳と頬が熱い。きっと今、トマトと並んだら間違う人が続出する。
どんどん声が小さくなる私を、喬一さんが覗き込んでくる。
「え、初耳。嬉しいんだけど」
「ひい。だめ。アップ駄目。近づいたら駄目です」
「君も、学生のころから淑やかで綺麗だったよ。それに見た目で損してるって思っていた」
見た目で損?
肉食系の友達からは大歓迎されてるのに?
「綺麗すぎて、こんな風に中身が可愛いの誰も気づかないのは損でしょ」
「……気障だ」
喬一さんは、女性が何を言ったら喜ぶのか分かってる。慣れてる。気障だ。
こんな歯の浮いた言葉、きっと色んな女性に言ってきたに違いない。