とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。

「喬一さんは大丈夫ですか? お仕事忙しいのに」
「うん。だから家に帰って、君がいるときっと幸せだと思う。ほら、」

 急に止まって何をするかと思ったら、冷蔵庫を足で締めるジェスチャーをしてきた。

「喬一さん!」
「わははははっ」

 酔ってる。酔ってないって思ってたのに、このテンションはちょっとだけ酔ってる。

「一生言い続けられそう」
「ご名答。しわくちゃのおじいちゃん、おばあちゃんになっても言うよ」

ポコポコ叩こうとして、手を掴まれ瞳を覗かれた。

「意味、分かる?」
「うっ……」

 分かりません、と言いたかったけど彼の唇が薄く開いたのを見て身構える。
 薄くて形のいい唇。近づいてくる意味に、胸が早鳴る。
 憧れていた人。ゲームで攻略する相手をいつも彼のような眼鏡の人にしていたのは、このせいだ。
 銀のフレームが街灯で、チカッと光る。それすらも絵になる人。

「あの……キスって眼鏡外さなくてもできるんですか?」
「試してみる?」

 彼の言葉に、私の思考が完全に止まる。

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