とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
「そう。良かった」
「えーっ トマトとズッキーニってあうんですね。これも美味しい。チーズステッキはワインが欲しくなる」
「ワインは赤? 白?」
すでにグラスを用意している彼が、目を細めて私に尋ねてくる。
完璧だ。完璧なお嫁さんだ。
「喬一さん……っ」
「なに?」
「お嫁さんになってください!」
結婚したらこんな美味しい料理が毎日食べられるんだ。
お肉を茹でて野菜と食べたり、レトルトのルーに油で揚げた茄子を付け足しただけのパスタとか、私の適当な料理とは比べ物にならない。
「あっ でも毎日こんなに食べてたら、太りそう。普段、きゅうりとかかじってるしなあ」
「うちの冷蔵庫は足で閉めるなよ」
「閉めませんっ」
美味しい。気づいたらパスタはもう半分も平らげてしまった。
「じゃあ、結婚相手として面倒じゃないってことかな」
「もちろんですよ。逆に私の方が面倒じゃないですか」