とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。



 食事を終え、食器を洗う、洗わないの攻防に負けて、お風呂掃除でもしようかとうろうろしていた時だった。

 近くで救急車のサイレンが立て続けに聞えてきた。
 一台、二台、数えてみると合計三台。
 近くで事故でもあったのかなと、カーテンの隙間から外を見る。

 それと同時に、喬一さんの携帯が鳴った。

 近づいてくる救急車のサイレンと、電話を取った喬一さんの眉間の皺が深くなるのはほぼ同時だった。

「ああ。分かった。すぐ行く」
 短い声と共に、エプロンを脱いで椅子に置くとジャケットを取った。

「悪い。すぐそこの交差点でバス同士が接触事故を起こしたらしい」
「ええ。大丈夫なんですか?」
「けが人がうちにも数人運ばれてくるから、今日は泊まってっていいから」
「泊まるって何も用意してきてないですから、帰ります」
 玄関まで着いていくけど、救急車が病院の前で止まるのが分かる。
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