とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
三、当日×材料
すっかり冬に染まり、クリスマスソングが通勤時に聴こえてくる。
電車の中のポスターも、デートスポットの紹介とか、窓の外を流れる夜景は輝いてる。
ショーウィンドウにもツリーやクリスマスカラーの商品、そして恋人たちを刺激するような高額なブランド品も並び、デートスポットはライトアップされ始めた。
そんな11月の終わりの吉日。
クラッシクホテル『シャングリラ』の屋上の日本庭園で結納をした。
結納もただの仲良し家族の食事会のように終わり、挙式は仕事場の人たちが来てくれたけど披露宴は身内だけで細やかに行うことになった。
喬一さんが、跡取り問題で親戚に良い印象がない上に、私の父や兄の地位や権力に媚びへつらう輩だからと、対面させたくなかったらしい。
私は、喬一さんのお姉さんが選んでくださった着物も着れて、大満足だ。
本当に都会のホテルの屋上なのか、一瞬、ここかどこだか忘れてしまうような、美しい庭園だった。竹が生えた月小路と呼ばれる遊歩道を散策し、四季を感じさせる木々や花を二人で見て回った。
鯉が泳ぐ池を渡り、森の香りが漂う純日本風の数奇屋造りのお部屋で両家族と式を挙げた。