とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。



 定時に会社から出ると、空はすっかり真っ暗で星が輝いている。

 駅までの道のりも、枯れた木々はチカチカと様々な色の電球がつけられイルミネーションの一部になっている。
 吐く息が白くなると、途端に寒く感じるから単純な思考回路だと思う。

 クリスマスも定時で帰れるけど、喬一さんはどうだろう。

 正直に言うと、彼の手の込んだ御馳走は楽しみだ。
 絶対にチキンから手作りしそうだし。

 彼は和風の料理の方が得意らしいし、仕込みや前日から味付けできるからと好んでいる。

 カレールーだってルーを買わず手作りだし。
 でも絶対に、今の仕事の忙しさで毎日手の込んだ料理は、負担だと思うんだけどなあ。

 私が少し手伝えればいいけど、彼は一人で作りたいと言っていたので、いい案は浮かばない。

 せめて、朝ご飯は私が作るとか?
 色々と考えながら家の門を開けると、寝室に明かりがついているのが見える。
 今日は早い。嬉しくて私も急いで家の中に入った。

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