とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
「いえ。あのう、何があったか聞いても大丈夫ですか?」
「気分がいいものではないよ」
即答され、戸惑ったけれど彼の横顔を見る。
「喬一さんが思い出したくないなら、無理には聞かないんですけど、でも私の実家でもあるので、知りたいというのが本音です」
こんな優しい喬一さんが怒るのだから、相当なものだと思う。
するととても言いにくそうに、彼が口籠っていたが意を決したように言った。
「姉の結婚式に参加したいと無理やり入ってきたくせに、当日欠席したんだ」
「ええ……?」
「一番大きな会場を取って、ガラガラにするのが魂胆だったんだろう。向こうのご両親は、婿養子に出すことを認めてはいたけど、もし親戚が誰も来なかったら傷つくだろう。破談させようとしたに違いない」
「酷い。あんまりだ。親戚なのに」
「その時、ドタキャンした親戚の代わりに、昔から仲良くしていたからと君のご両親とシャシャングリラのオーナー夫妻、そして姉と旦那さんの友達が急遽駆け付けてくれて、シャングリラホテルの宿泊手配までしてくださって、親戚が来るよりは最高な式だったけどね」
「……うちの親、偶にはいい仕事しますね」