とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。

「俺の趣味ばかり付き合わされて申し訳ないな。俺も紗矢の趣味に付き合おうかな」
「ゲームですか?」
「そ。俺に似た眼鏡キャラとクリスマスデートに課金だっけ?」

「喬一さんって記憶力良すぎ。残念ながら、全くプレイしてなかったので、今から課金してもクリスマスデートは無理ですね」

 ひき肉をボウルに入れた喬一さんは不思議そうな顔をする。
 こんなにゲームの知識が全くない人に説明するのは恥ずかしいから、興味を持たないでほしい。

「期間限定イベントなんですよ。今からやっても一日一話進めるシナリオがクリスマスまでに終わらないんです」

 結納、挙式、引っ越しをこの短時間で行ったんだ。ゲームなんてログインすら忘れた日もある。

「それは君の趣味の時間を奪って申し訳ないな」
「……いいえ。喬一さんよりいい男なんてゲームの中にさえもいないので大丈夫です」
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