とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。

『良かった。食べたいもないなら俺が店を決めてもいい?』
「もちろんです。お願いします」
『じゃあ美味しいパテが食べられるレストランがあるから予約しておくよ』
「はい。楽しみです」

 電話を切ったあと、一時間後に喬一さんに会える嬉しさと同時に一時間でプレゼントを選べるのか不安になってきた。
 急いで選ぶものじゃない。
 でも明日はずっと一緒に居るから選ぶのは無理。
 喬一さんのことだから、探したけど買えなかったというと笑って許してくれそう。
 でもそれは嫌だ。気を使わせたくない。

「プレゼント、プレゼント」
 悩みながらビルの中を歩く。
 クリスマス前のファッションビルの中はいつもより混雑している。おもちゃ屋の前を通ると、レジに並ぶ沢山のサンタたち。サンタたちは喜ぶ子供の顔を思い浮かべて念入りにおもちゃを探したり、メモを片手に必死にお目当てのおもちゃを探している。

 私も喬一さんの喜ぶ顔が見たい。いつも美味しい料理を作ってくれる喬一さんに感謝しかない。寝落ちして疲れている顔さえもセクシーに見えてしまう、重症っぷりだ。
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