とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。


 お店の中をうろうろして、飾ってあったモノと同じものを探す。無事に最後の一個であろうそれを手に取って、レジを見る。

 そこにはラッピングの整理番号を渡す店員とレジ打ちしている店員、そしてその後ろでラッピングに取り掛かっている二人の店員。

 私の番号は17番目。48種類の袋や包装紙と200種類のメッセージカードを選び、メッセージカードを描く四人掛けの机は満員で周りに待っている人がいる。
 私もメッセージカードを選びつつ、再び腕時計を見て時間を確認したのだった。



『新幹線改札口を出てすぐの、時計の柱の下にいるよ』

 彼のメッセージを見て、駅に急ぐ。仕事で疲れて帰ってきた喬一さんを待たせるとは、なんと出来損ないの嫁であろうか。
 帰宅ラッシュの時間帯のせいで、人ごみの中を掻き分けて進むので、走り出せない。
 クリスマスとか縁のなかった私は家の中で、ゲームのキャラクターのためにゲームをしていたのが懐かしい。
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