とろけるようなデザートは、今宵も貴方の甘い言葉。
五、溺愛×賞味
クリスマス当日、私がリビングの大きなクリスマスツリーを飾りつけ、彼が炭火焼タンドリーチキンを作った。拭き抜けの天井に届きそうなほど大きなモミの木も、チキンも昨日のオランダ料理店の白石さんが取り寄せてくれたものらしい。
彼がチキンを作る前に私はケーキのスポンジを作って冷やしておいた。一緒にイチゴやサンタの砂糖菓子を飾り付けようねと約束している。
それにしてもスポンジは何回か練習したけど上手くいって良かった。一度だけ、原因不明で半分膨らまなかったんだよね。
モミの木は残念ながら本物ではないけれど、本物のように枝や葉が丁寧に作られている。その木に、買ってきた装飾品を飾るが全く足らなかった。仕方がないので、裏側の見えない部分にはつけず、目に留まりやすい部分に飾りを移動する。
「全部、飾りつけ終わった?」
「終わりましたよ。そっち、お手伝い何かできます?」
「大丈夫だけど、ちょっと待って」
手を拭きながら喬一さんがリビングにやってくると私の隣に立った。