王様生徒会長と最弱ヒーロー
最近では、ほとんど見なくなった
その笑みが夏目くんの胸の内を表していた。
壮吾「葉瑠ちゃんには
隠し事、出来ないな。」
葉瑠「聞くよ?」
壮吾「俺には妹がいるんだ。」
そう言うと夏目くんは
カバンの中から1枚の写真を取り出した。
壮吾「それが最後の家族写真。
5年前に撮ったから妹も
まだ小さいけど、今は中3。」
葉瑠「妹さんと離れ離れに
なってしまったから...後悔してるの?」
壮吾「家にいたって妹には会えない。」
葉瑠「会えないって?」
壮吾「優花里が中2の頃
あいつは友達と街に出掛けた。
その友達の知り合いっつー男に
会って、優花里はそいつの事を
好きになったんだ。
どっかの店のホストだった
そいつは優花里に金をたかり始め
しまいには薬を運ばせた。」