王様生徒会長と最弱ヒーロー
葉瑠「覚えてますか?
最後に家族写真を撮ったのは
いつだったか。
覚えてますか?
最後に家族で一緒に食卓を
囲んだのはいつだったか。
覚えてますか?
最後に夏目くんや妹さんが
笑顔を見せたのはいつだったか。」
夏目くんのお父さんは押し黙った。
葉瑠「夏目くんは覚えてました。
最後に家族写真を撮った日の事を。
皆で食卓を囲んだ最後の日の事を。
妹さんが最後に笑ったその日の事を。
大切な事って...そんな
些細な日の事ではないですか?」
優花里「葉瑠さん、もういいよ。」
葉瑠「優花里ちゃん。
大丈夫だよ。あなたには
夏目くんがいる。
あなたはあなたの言いたい事を
言ってもいいんだよ。
お父さんへの不満でも
夏目くんへの不満でも何でも。
我慢しなくていいんだよ。
あなたはあなたの大切な物を
大切にすればいいんだ!!」
私の言葉には口を噤んだままだった。