王様生徒会長と最弱ヒーロー

壮吾「...あのさ...。」

壮吾父「何だ。」

壮吾「俺は別にこの家に戻りたいとは
思わないよ。優花里には
申し訳ないけど、俺は俺が
そうしたいから家を出たんだ。
...でも、ごめん。
これ以上は我慢出来ない。
優花里の事は連れて行く。」

優花里「お兄ちゃん?」

壮吾「優花里、俺と一緒に暮らそう。
この家を捨てて。」

優花里「...でも...」

壮吾父「勝手にしろ。
お前達の事などもう知らん!」

やっぱりダメだったんだ。
私の言葉は大人には通じないんだ。

優花里「...お兄ちゃん。...酷いよ。
お父さんが...」

壮吾「大丈夫だ。あの人は
腐っても俺たちの親だから。
ああ見えて結構いい所もあるんだ。
俺が住んでるマンションの家賃も
毎月ちゃんと払ってくれてる。
あの人はあの人なりに
俺たちの事、心配してくれてるんだ。」

...そっか。目に見えるものだけが
全てではないんだ。
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