王様生徒会長と最弱ヒーロー

葉瑠「今だってそうだよ。
また諦めようとしてる。
本当は誰よりも正義感が強くて
誰よりも孤独の辛さを知ってる
彼は、また自分を犠牲にしようとしてる。
それは、どうして?
...信じてくれる人がいなかったから。
...守ってくれる人がいなかったから。
いつの間にか彼は1人で何とかしようと
思うようになった。...大人なんて
信じられない。自分の都合で子供を
いい様に利用する。彼は知ってるんだ。
幼い頃から、ずっと...その事を。」

ずっと私の事を見つめていた
青柳くんは目を伏せた。

葉瑠「知ってるから......
1人で生きる事を選んだ。
自分の国を作り、憎い大人達さえも
服従させる...そんな王様に彼はなった。
ただ、自分の居場所が欲しくて。
ただ、皆から愛されたくて...。
でも、分からなかった。
大人は肝心な事は
何も教えてくれないから。」
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