王様生徒会長と最弱ヒーロー

夏目くんが一人ぼっちになってしまうって
心配してたけど、そんな心配必要なかった。

元々、気立ての良い夏目くんは
サッカー部の人達とつるむようになった。

机は美鈴さん達が持っていってくれた。
私はそこら中に散らばった
荷物をせっせと拾った。

ーガタン

私がプリントを拾うと
上に乗っていた木が大きな音を立て倒れる。
倒れたその木には綺麗な絵が描かれていた。

何で焼却炉なんかに絵があるんだろう?
とは思わない。きっと誰かの仕業に
違いない。美術部には沢山、賤民がいる。

私はそれを手に取り砂を払うと
荷物と一緒に持ち帰った。

王様に見つかる前に早く
美術部の元へ届けなきゃ。
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