王様生徒会長と最弱ヒーロー

階段を登り辿り着いた先。
そこに輝龍くんはいた。

ーガチャ

風に髪を靡かせながら
1枚のキャンバスに向き合っていた。

葉瑠「輝龍くんっ!」

私が声をかけると輝龍くんは
キャンバスをしまい始めた。

葉瑠「もう描かないの?」

叶斗「何の用?」

葉瑠「これ、焼却炉で見つけたから
返しに来たの。輝龍くん、すごく
絵が上手なんだね。」

叶斗「それは俺が捨てたやつだ。
勝手に拾ってきてんじゃねぇ。」

葉瑠「どうして捨ててしまうの?」

叶斗「どうせ何をやったって無駄なんだ。
だから、俺は諦める。
気安く話しかけるな。」

輝龍くんは私の手にある絵を
見る事もなく屋上を出て行った。
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