電脳空間ロンリー
「助けて・・誰か・・助けて」

女の子の声がした。
かぼそくて、今にも途切れそうな女の子の声。
もちろん、誰かは分からない。

「君は、・・誰・・?」

僕は、すぐに問いかけた。
すると、視界が暗転し真っ白になる。
目のくらむような光が僕を包む。

「私は、ミコです。初めまして、・・ショウゴさん。」

彼女は、優しくそう微笑むと持っていた本を閉じた。

それが、電脳空間の彼女、ミコとの出会いだった。

僕の名前は、五百川 ショウゴ。
高校2年生。
誕生日は4月5日生まれ。
血液型はО型。
・・身長は、言いたくないから黙っておく。
僕には、小さな特技がある。
それは、鮮明な夢を見れるところだ。
でも、幽体離脱とかはできない。
その代わり、しっかりした夢が見れる。
それも、一字一句覚えてしまうくらいに。
予知夢だって見れる。
今日のご飯の献立とか。
数学のテストの点数とか。
誰が誰に何をしただとか・・

でも、最近は、夢は見なくなった。
だけど、久々にしっかりした明晰夢を見た。

僕が見た夢の中の彼女は、とても綺麗だった。
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