*君に溺愛*

銀髪の男。

ーーーーーーーーーーー

街からどんどん離れてく。
だけど私は、美織ちゃんについていく。

「美織ちゃん、どこ行くの?」



「こっち、こっちだよ」


ねえ、美織ちゃん。

私は、美織ちゃんを信じてるよ。
何もない、灯りのない暗がりの場所を歩く私に………
不安なんてない。

罠かも知れない。
うん、きっと罠。
でも、私の手を引く美織ちゃんの手も、微かに震えていた。


「美織ちゃん…………私は何が起きても美織ちゃんの友達だよ」



これだけは、偽りなんかない。

前を歩く美織ちゃんの足が止まった。


「美織ちゃん??」


「逃げて…………逃げてルナちゃん!!」



えっ……………?




美織ちゃんの様子が変だ。


「早く、逃げて。来ちゃう‼
あいつが来ちゃう前にーーーーー「ミオ、何してんの?」




あいつ?

不意に入る、男の声。

暗闇の中に浮かび妖しく笑う銀髪の男は、、


ニヤリ、と笑った。







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