*君に溺愛*

「ヤスくん、なんで？
私…………裏切ったのになんで？」

裏切った??

「俺、裏切られてない。
やっぱり、美織ちゃんは美織ちゃんだったよ。
優しい、最初から無理してたの分かってた。
だけど、近づきたかった」


「どうして…………?」
　君の声が震えてる。

君の瞳が揺れてる。
零れそうな涙。


「そんなの、好きだからだよ‼
まだ、俺らは始まったばかりだ。
俺、逃がしてやんねーよ？
美織ちゃんを幸せに出来る男になりたいから」


ねえ、美織ちゃん………。


ぽろぽろ、と流れた涙。

この涙を拭うのは、俺だけだよ。

「あーあ、零れちゃった。

泣き虫っ」


俺はそう言い君の涙を拭った。

「ヤスくん、ありがとうっ」


今、感動的シーンな筈なのにーー。


「いてーな、おいっ人の女誘惑すんな。
ミオ、こっち来いよ‼」

「やだぁ、行かない‼」


「じゃあ、リオがどうなってもいいんだ？」












「大丈夫、リオなら預かった。

思う存分やれよ、ヤス‼」











リオの側には、慧さんがいた。